2015-09-27
イエスは彼らに言われた。「あなたがたは、わたしをだれだと言いますか。」
マタイの福音書16章15節
リージェントでの最終学年はWorld Christianity(世界のキリスト教)専攻での神学修士のプログラムを勉強させて頂きました。本専攻は世界中のキリスト教について宣教学の視点を持って、キリスト教の文脈化や土着化について学びます。ケニア・ナイロビでのフィールドワークもプログラムの一部として経験しました。そして修士の単位論文では日本人のキリスト論について書きました。アフリカのクリスチャンはイエス・キリストに対して「医者(癒す人)」という強いイメージ(像)を持ち、ラテンアメリカのクリスチャンは、「解放者」、(つまり圧政から救い出すリーダー)という文化や生活に深く関係したイメージを持っています。それでは日本人にとってイエス・キリストは誰なのか?バンクーバー在住の日本人クリスチャンにインタビューを重ねながら、日本人クリスチャンが抱く「キリスト像」について調査しました。その結果は、本当の親友(A Great Friend)、人生や生活の行動規範(A Model for Our Lives)、神と人との間の仲保者(Mediator)といった像が浮かび上がってきました。インタビューの数が限られていたため、全ての日本のクリスチャンのイメージを表しているとは言い切れませんが、性別によるイメージの差(男性は『行動規範』と答える人が多く、女性は『本当の親友』と答える人が多い)が出たのも興味深い結果でした。これらのイメージは牧会や伝道の現場において、とても参考になる情報となります。もし男性にとってイエス・キリストが人生や生活の『行動規範』であるならば、クリスチャンになるということは、プライドを捨てて、イエス・キリストに自分自身を明け渡すという、ハードルの高い決断をしなければいけないことになるでしょう。逆に女性は教会での深い人間関係を通して、『本当の親友』であるイエス・キリストを知っていくということでしょうか。このテーマについてはイエス・キリストの福音を日本人に伝えるために、牧会での経験を通して理解を深めていきたいと思います。現在、来年度に向けて教育部と新しい信徒向けの学びのプログラムを作成中です。私の証しと留学中の学びの紹介は今回で終了となりますが、次の機会にはそのプログラムにおいて学んだことをお分かちさせて頂きたいと思います。(笠川路人伝道師)
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