20150726 クリスチャンの思想と文化
2015-07-26


「今、私は一部分しか知りませんが、その時には、私が完全に知られているのと同じように、私も完全に知ることになります。」コリント人への手紙第一13章12節b

リージェント・カレッジでの1年目の必須科目に「クリスチャンの思想と文化」があります。この授業は古代キリスト教の教父時代(2〜8世紀)の思想とその背景となったギリシア哲学について、中世以降はヨーロッパの哲学思想や科学と宗教の関係について、そして宗教改革以降は近代主義から20世紀のポストモダン主義までを学びます。それぞれの時代にクリスチャンが新しい思想や文化にどう向き合ってきたかを知り、現代のクリスチャンが直面している課題に対応するための手段を学びました。約二千年間のキリスト教の歴史は「正統」と「異端」の判別や、「哲学」や「科学」、そして「政治」との関わりが大きなテーマとなります。この授業を通して、三つのことを学びました。一つ目は、キリスト教の正統派の教えの重要性です。「異端」と呼ばれるグループはどの時代にも存在しており、特に既存の思想や文化とキリスト教が交わる時に出現します。既存の文化を尊重しながら、キリスト教が他宗教との習合(シンクレティズム)を避けることは重要課題です。二つ目は「宗教」と「科学」は対立ではなく調和するものであること。正しく棲み分けするための考え方を学びました。三つ目は現代のポストモダン主義に教会がどう対応すべきかについて学びました。今後、牧会の現場においてこれらの学びを役立てたいと思います。最終試験は「あなたの身近なクリスチャン、未信者の家族や友人から質問される」ことを想定して、以下のような質問が出題されました。「どうやって知的さとクリスチャンであることを両立できるのか?信仰と理性は水と油のようなもので、決して一緒にならないでしょう?」「わたしがクリスチャンに決してならない理由は山ほどある。その中で一番の理由は、そもそもキリスト教は西洋の宗教だからです。」いずれも、どう答えるのか深く考えさせられる質問です。次回は「牧会魂」という授業での学びについてお話しさせて頂きます。(笠川路人伝道師)

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