聴くことの実践について 2
2019-07-21


香油と香料は心を喜ばせ、友の慰めはたましいを力づける。          箴言 27章9節

今回は、聴くことの実践として、相手の話を深く聴くための方法と質問について考えます。最初に、相手の状況を的確に把握することから始めます。抱えている問題は何か、どの程度深刻なものなのかを確認します。その問題が、その人自身がコントロールできるものなのか、できないものなのかを判別することは大切です。同時に、クリスチャンであればその人の霊的な状態についても知ることが重要です。信仰を通して神さまから希望を受けることができる状況か、もしくは、信仰の励ましや回復が必要な状況かによって、聴き手として話すべき内容を変える必要があります。
 次に、深く聴き出すための質問に進みます。まず初めに「気持ち」について聴くことが重要です。怒り、悲しみ、失望、不安など、感じていることを一通り聞いていきます。この時に、「怒り」についての学びや、家族の背景を知る学びで得た知識を、状況の分析や理解に用いることができます。その人の気持ちや感情を、時間をかけて十分に聴き出した後で、次に「考え」について聞いてみます。感情が強く出る時には、主観的な意見が多い傾向がありますが、感情を吐き出した後で、客観的にその問題について、どう思うのかについて聞いていきます。最後に、問題に対して、その人が「実際に行った行動」について聴きます。ここでのポイントは、聴き手が、その行動が合っていたのか、間違っていたのかについての判断をすぐにしないということです。そして、問題に対して、今後「どのような対処をするのか」、「どう対応したいのか」については、本人に聞くことが大切です。もし、アドバイスを求められたならば、決して枠にはめることをせずに、ことばを選びながら、真実に思ったことを語るようにします。もし答えが分からない時には、分かったふりをせずに、「分かりません」と話すことも大切です。時に、沈黙が続くことが起こりますが、沈黙を恐れることなく、沈黙の中にも神さまが語ってくださることに期待します。
聴くことの霊的な備えとして、相手のために祈り、聴き手である自分のために(口がきよめられるように、平安が与えられ、恐れが取り除かれるように)祈る必要があります。聴く時間全体が、聖霊なる神さまの働きによって、導かれることを願い、祈っていきましょう。次回は、教会における聴く奉仕について考えます。(笠川路人)

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