20130811 雷の子と呼ばれた人が愛の使徒に
2013-08-11


「弟子のひとりで、イエスが愛しておられた者が、イエスの右側で席に着いていた。」
ヨハネの福音書13章23節

 イエス様はご自分の働きの後継者として12人の弟子を選び、使徒としました。その中に、ゼベダイの子ヤコブとその兄弟ヨハネの二人がいました。彼らはペテロとアンデレの兄弟とともにガリラヤ湖で漁師をしていました。この4人は12使徒の中でもいつもイエス様のそばに置かれ、密度の濃いトレーニングを受けたのでした。
 さて、この4人の中で、いつも4番目に名を記されているヨハネについて考えてみましょう。ヨハネは兄弟ヤコブとともにイエス様から「雷の子」と名づけられていました。その理由は彼らの激しい性格のためであったようです。イエス様一行がガリラヤからエルサレムに向かっている途中、サマリヤで一泊しようとしていたときです。弟子たちはイエス様に命じられて、サマリヤの人々に宿を求めましたが、拒まれました。これを見て、ヤコブとヨハネは「主よ。私たちが天から火を呼び下して、彼らを焼き滅ぼしましょうか。」と言ったのです。「しかし、イエス様は振り向いて、彼らを戒められた」とあります。
 ヨハネたちのように熱心で、激しやすい性格の人はしばしば相手の気持ちを気遣う感性に欠けることがあります。ヨハネは荒削りで、感情的で、すぐに爆発してしまうタイプの人でしたが、イエス様とともに歩む中で愛の使徒と呼ばれるほどに大きく変えられたのです。上記のヨハネが書いた福音書の箇所に、ヨハネは自分のことを、「イエスが愛しておられた者」と記しています。ヨハネはイエス様に愛されることを通して愛に満たされて、他の人に愛を注ぐ者と変えられていったのです。イエス様が十字架上でヨハネに母マリヤを託したことがヨハネによって福音書に記されています。雷の子から愛の使徒に造り変えられたヨハネであったからこそ、イエス様は安心して大切な母の行く末をヨハネに託すことができたのです。伝説によると、ヨハネはマリヤが召されるまでエルサレムにとどまり世話をしたと言われています。熱心だけでは不十分です。他の人に対する愛がなければ良い働きをすることはできないのです。

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